リアルエールについて
先ほどの日記で登場した「リアルエール」というものについて少し解説。
リアルエールとは、イギリス発祥の伝統的な製法に基づいたビールのこと。
名前の通り、ベースのビールは上面発酵製法によって造られたエールビールです。
製法は1次発酵までは、通常のビールと変わりません。
1次発酵の終わったビールを<樽生>として出荷する樽(カスク)に移し、1樽1樽コンディションして仕上げます。
そのため“カスクコンディションビール”と呼ばれることもあります。
お店で樽がサーバーにつながれるそのときまで、樽の中でゆっくりゆっくり発酵を続けていきます。
そのため、普通のビールに比べて新鮮。
そして、普通のビールとの大きな違いは炭酸を開放させて仕上げること。
つまり完成したビールは“ほぼ無炭酸”。
炭酸はビールに爽快感をもたらしますが、同時にビール本来の香りや味わいを邪魔してしまう側面も持ちます。
例えば、炭酸ジュースを炭酸が抜けても美味しい!と感じる人は少ないのではないでしょうか?
ところが伝統的な製法で造り上げられたビールは、炭酸が弱くても香り・味わいを十分に楽しむことができます。
炭酸でごまかさない。
ゆっくりビール本来の香りと味わいを楽しむビール、
それがリアルエールです。
念のために申し上げておきますが「普通のビールよりリアルエールのほうが良いビール」という訳ではありません。
実際、リアルエールをお飲みになられて「ビールは炭酸があったほうが好き!」という人も多くいらっしゃいます。
でも逆に「こんなビールがあったんだ!」と感動される方もまたいらっしゃるのも事実なのです。
知らないでいるよりも、存在を知った上で、自分の舌で確かめて選べるほうが
ビールライフがより楽しくなると思うのです♪
感動するような美味しいものは、死ぬ直前よりも
なるべく早く、そして、人より先に
味わってみたいと思いませんか?
まずは難しいこと抜きで、見かけたら飲んでみて下さい。
サンクトガーレンでも一部のビールバー向けにリアルエールを造っています。
サンクトガーレンのリアルエールは1樽1樽コーネリアスという樽でコンディションしています。
コーネリアスは通常の樽と違って、炭酸を開放するノズルが付いているので時折それを開けて炭酸を開放させてビールの様子を見ながら仕上げます。
今コンディション中なのはペールエールベースです。
そこに数種類のホップでドライホップ(香り付けを目的としたホップ)しながら仕上げています。
ホップはハーブの1種で品種によって異なる香りを持ちます。そこから好みのホップを選択し、香りを溶け込ませていくのです。
最近、リアルエールのドライホップで人気があるのは以下のホップです。
それぞれのホップへのコメントは私の個人的な感想です。
■ リバティ
アロマホップで1番有名な“カスケード”が上品なオレンジの香りだとすると、これは下品なくらいオレンジ!直球でオレンジの香りを放つホップです。
ジューシーで爽やか。
最近まで1番のお気に入りでした。最近はさらなるお気に入りが。。。
■ アマリロ
最近の1番のお気に入り オレンジではなく蜜柑の香りがします。
つまり・・・、“洋”でなく、“和”っぽい感じ。かすかに柚子を思わせる雰囲気も。
瑞々しい雰囲気の中にほのかに甘さを感じる香りが。
■ シムコー
まだ熟していない、青い柑橘の香り。草原を思わせる青々しさ。
その中に、ほのかに苦さを感じる香りも。
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