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2009年12月 7日 (月)

日本のビールの税金について思うこと(地ビールの税率軽減の縮小について)

前の日記のつづきです。
1、地ビールの税率軽減の縮小について思うこと

まず、日本のビールの税金について私が思うこと。

ビールの税金って世界的に見たら確かに高いと思います。
でもそこだけ見て論議するのはどうかな、と思うんです。

例えば、ヨーロッパは日本よりビールの税金が安い。でも、ガソリン税は高い。

日本の台所事情が逼迫しているのは周知の事実で、
追い打ちをかけるように少子高齢化にともなって税金を納める人が減り
取れるところからもっと取らなければならない、というのは必然の流れ。
(税金の無駄遣い、という話は置いといて)

ビール業界にいる人間としては、ビールの税金を下げてほしいと思うのは当然のこと。
もちろん、私だって高いよりは安いほうがずっといい。

決して私だって、日本のビール税率に納得している訳ではありません。
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 参考:日本の酒税法の歴史 

1901年(明治34年) 「麦酒税」導入
1石あたり7円の造石税。それが大規模ビールメーカーの寡占体制を決定付けた瞬間でした。
1石=180L/当時の1円=現在の10,000円、と換算すると1Lあたり約389円と相当な税負担となります。それに耐え切れなくなったマイクロブルワリー(中小規模醸造所)は次々と姿を消していきます。
※当時は100を超えるマイクロブルワリー(今でいう地ビール)が存在していました。

その後1908年(明治41年)、ビール製造免許の交付基準が年間製造量1,000石(180Kl)以上とされ、その基準は順次引き上げられ、遂には2000Kl以上にまでなりました。さらなる寡占状態の促進です。

そしてもう1点、1901年の「麦酒税」によって定められたこと。
ビールの副原料について。
米やコーンスターチ、糖類など副原料と認められたものなら約3割の使用が許され、副原料に認定されていないものは、例え1粒でも使用すると「発泡酒」となってしまいます。この法律によると、コリアンダーやオレンジピールなどを使用するベルギービールはもれなく「発泡酒」という烙印を押されてしまいます。“安い酒=発泡酒”というイメージがありますが、麦芽率は高いため税金は通常の麦酒と変わりません。

今となっては誰も根拠が説明できないこの法律。
社会の時間に伊藤博文ってならったでしょう。
そんな100年以上前の法律をずるずると引きずっているなんて、どうなのよ・・・とは思う。

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でも、今の日本の状況からするとどこかを下げたらどこかを上げなくちゃ成り立たない訳でしょう?

ビールの税率を下げる代わりに消費税10%とか、
ビールの税率を下げる代わりにガソリン税2倍とか。

でもさ、冷静に考えると
ビールの税率を下げて助かる人 < 消費税10%で困る人
ビールの税率を下げて助かる人 < ガソリン税2倍で困る人
だと思うんです。

だから、とりあえず、日本のビールの税金が欧米並に安くなるなんてことは
夢のまた夢、と思っています。

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