シュピゲラウのビールグラスセミナーで 【IPAグラス】 の実力を確かめてきた!
シュピゲラウのビールグラスセミナーに招待して頂きました。
シュピゲラウはビール大国ドイツで500年以上の歴史をもつグラスメーカー。
2004年よりワイングラスでお馴染のリーデルの傘下に。
グレートアメリカンビアフェスティバルのグラスサプライヤーでもあります。
そのセミナーの内容を一部抜粋して書き起こしてみます。
このビールグラスセミナーはグラスによるビールの味わいの違いを体験するもので、
4年前からアメリカで開始され、今回日本では初めての開催なのだそう。
テーブルの上には5つのグラスが並べてあります。
そのうち1つは、よく見かけるパイントグラス。
このセミナーではジョーカー扱い(苦笑)
どんなに美味しいビールも入れ物がなければそれを飲むことは出来ません。
“グラス”はビールの魅力を五感に伝える架け橋です。
グラスの選択を間違えるとビールの味は損なわれ、残念なビールになります。
より美味しくビールを楽しんでもらうためのグラスの提案です。
こちらのスライドはパイントグラスの表面を拡大したもの。
表面に正体不明の傷があります。
さらに拡大すると、パイントグラスの表面は月の表面のようにボコボコでラフです。
シュピゲラウはどこまで拡大しても滑らかでスムーズ。
グラスの細かな傷はスポンジの穴のようなものです。
バクテリア、洗剤、炭酸がこの中に入り込んでしまいます。
またグラスが分厚いと中身が冷たく保てると思うのも間違い。
グラスが厚いと中身の冷たい温度を吸収してしまう→液体がぬるくなる→炭酸も抜ける。
グラスが薄いほど断熱効果が高い。
中身の温度と平均化しようとし、グラスそのものが冷たくなる。
また、パイントグラスはよく見るとガラスの色が緑がかっているが、これは酸化鉄=不純物。
ガラスの原料は二酸化珪砂(けいさ)と呼ばれる砂。
シュピゲラウの原料はドーフナー鉱山から採掘。
グラスメーカーでここから採掘しているのはうちだけ。
不純物が非常に少なく、医療用ガラス、光ファイバーの原料もここから採掘される。
だから真透明で、ビールの色を魅力的に見せることが出来る。
ここでいよいよ、本日のメイン「IPAグラス」で試飲のお時間です。
このグラスはドッグフィッシュ、シェラネバダとともに開発したもの。6月にデビューしたばかり。
何個もの試作を造っては試してもらい、最終的に両社が「これ」と一致したもの。
容量は540ml(19オンス)。
小瓶を注いで、泡と、トップに若干の余裕を保てるのに丁度良い量。
あるアメリカのブルワーはこのグラスを「オルファクトリー(嗅覚)キャノン(大砲)」と言ったそうです。
アロマの大砲、というような意味でしょうか。
このグラスでIPAを飲むとグラスを鼻に近付け無くても、手に持っただけで香りを感じることが出来ます。
これは本当にびっくり。
またIPAはアルコール高めのものが多い。
パイントグラスは流量の調整が出来ないので、舌の先に液体が当たる。
だから1番最初にアルコールの高さを感じ
「これはアルコールが高いビールだな」ということだけが印象に残る。
シュピゲラウのIPAグラスは淵にレーザーカットが施されていて流量がコントロールできる。
液体は舌の中央部分に当たる。全ての要素がバランスよく味わえる。
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グラス下の蜂の巣のような形の部分は、エアレーションに効果が。
グラスを横に傾ける度に(ビールを飲む都度)泡が発生。
泡のキャップ(蓋)=ビールのアロマの蓋。
美味しさを長く保てる。
私はIPAスタイルがあまり得意では無いのですが、このグラスで飲むIPAは本当に美味しく感じました。
パイントグラスで飲むIPAはどうも苦味ばかりを感じてしまう私ですが、このIPAグラスでは麦芽の甘味、鼻から感じる直接的なホップアロマだけではなく、口に含んだときのフレーバーとしてのホップも感じられ「IPAってこんなに美味しかったんだ!」と。
これは本当に感動的。
ちなみにサンクトガーレンは「YOKOHAMA XPA」がIPAスタイルのビールです。
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IPAグラスが凄過ぎて、その後の試飲はもはやあまり覚えていません(すみません)。
シュピゲラウのグラスはとても薄いですが、純度が高いためとても柔軟=丈夫。
乾杯したとき(グラスを勢いよくぶつけると)、互いが跳ね返るようなそんな感じがありました。
本当に面白いセミナーで勉強になりました。ありがとうございます!
今後、何らかの形でこのIPAグラスを使うことが出来たら良いなぁと考えています。
▼シュピゲラウのグラスはこちらから購入可能です。
http://shop.riedel.co.jp/?___store=spiegelau
リーデルショップでも販売しているそうです。
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