通常黒ビールが “ リンゴ → 大根 ” に対し、チョコビールは “ 甘酒 → トマト ”
クリスマスもまだだというのに、工場では早くもバレンタインシーズンのビール醸造がはじまりました。
チョコビールの代名詞とも言うべきビール「インペリアルチョコレートスタウト」です。
チョコレートと言っても、お菓子のチョコレートなどを使っている訳ではなく、ビール本来の材料のみでチョコレート風味を表現しているビールです。
サンクトガーレン内で1番材料と手間と時間のかかるビールは「麦のワイン」ですが、このビールもそれに匹敵するくらいの材料と手間と時間のかかるビールです。
▲左奥の黒い麦芽「チョコレートモルト」が、このビールの要。
通常のビールはダブルバッチ(2回連続仕込み)でビールタンク1本がいっぱいになります。
1回で2,340L × 2回 = 4,680L。
ところが、このビールは材料をたくさん使うだけではなく、麦汁も上澄みの濃い部分しか使わないため、4回仕込まないとビールタンク1本がいっぱいになりません。
なので、 2回連続仕込み×2日間 でタンクをいっぱいにします。
1回で1,170L × 4回 = 4,680L。
今日はその2日目。
昨日はこのビールの醸造風景を撮影しに、はるばるドイツからTV局が!
ビール大国ドイツで日本のクラフトビールの盛り上がりを紹介したいそうです。
コーディネーターの方曰く「ドイツで日本のクラフトビールを調べると、サンクトガーレンばかり名前が出て来て、中でもこの“インペリアルチョコレートスタウト”が1番出てくる」のだそうです。
夏頃から取材のお話を頂いていましたが、どうしてもこのビールの仕込み風景を撮影したいとのことで、仕込み日に合わせての来日。
ドイツはもちろん、ドイツ語圏のオーストリアなどにも広く放映されるようです。
丁髷で仕込むべきだったか(笑)
こちら(上)の写真は麦汁の糖度を計測しているところ。
サンクトガーレンの定番黒ビール(ブラウンポーター)の麦汁の糖度は13。
甘い蜜入りのリンゴ程度の糖度です。
それに対しインペリアルチョコレートスタウトの麦汁の糖度は23。
乳酸菌飲料や甘酒と同じ糖度です。飲んだ感じは、ドロッと粘度もありお汁粉のようです。
この糖分をビール酵母が食べて、アルコールと炭酸(CO2)に分解します。
これが所謂“発酵”です。
ブラウンポーターは最初の糖度13(甘い蜜入りのリンゴくらい)
↓
発酵終了後は糖度3.5(大根くらい)
その差9.5。
インペリアルチョコレートスタウトは糖度23(乳酸菌飲料や甘酒くらい)
↓
発酵終了後には6にまで下がります(甘めのトマトくらい)
その差17。
この最初と最後の糖度の差が大きいほど、酵母がたくさん活動した
アルコールの高いビールということになります。
(ブラウンポーターのアルコールは5.5%、インペリアルチョコレートスタウトは9%)
※糖度の比較物(果実や野菜)はネット上のデータを参考にしたもので、その正確性は保証出来ません。
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ちなみにサンクトガーレンのホームページでは各ビールの麦汁の糖度が分かるデータが公開されています。
(こういったデータが公開されているのは珍しいと思います)
これはゴールデンエールの商品概要部分ですが、この初期比重の下の2桁を4で割った数字が、麦汁の糖度です。
つまりゴールデンエールの麦汁の糖度は44÷4で11ということになります。
ちなみにIBUはビールの苦味を表す数値、SRMは色の濃さです。
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